日本円はなめられてる！？

今月初めのニュースですが、日本円はトルコ・リラやアルゼンチン・ペソと同じ部類だとドイツ銀行に言われちゃいました。

トルコ・リラやアルゼンチン・ペソと言えば、新興国通貨の中でも最もパフォーマンスの悪い通貨です。日本の経済規模は世界4位（最近ドイツに抜かれちゃいました）ですし、日本円は世界で3番目に取引量が多い通貨です。その日本円をトルコ・リラやアルゼンチン・ペソと同列に置いたわけですから、このニュースは掲示板等でも物議を醸していました。

ほんの数年前までは、日本円はリスクオフになると買われる強い通貨でした。2011年10月31日に日本円は戦後最高値の1ドル=75円32銭をつけています。それが今現在151円を超えてしまっていますから、僅か12年で日本円の価値は半分になってしまったことになります。ですから貯金も実質、恐ろしく目減りしてしまっているわけです。

下のチャートは主要国の最近の通貨強弱を示したものです。

水色のラインの日本円を見てみると特に10月末からは、ぶっちぎりで弱くなってますよね。

次に最近の米国の長期金利のチャートを見てみましょう。

昨日は少し上昇しましたが、ずっと上昇し続けていた長期金利が下がり始めていますよね。通常、米国の長期金利が下がる場面ではドル円も値を下げます。つまり円が買われドルが売られます。

次に最近のドル円のチャートを見てみましょう。

見てのとおり、米国の長期金利が下落しようが、おかまないしに上昇しています。
金利は通貨が買われたり売られたりする大きな要因になります。事実、ドル円の上昇は日米金利差が大きな要因になっているのは間違いないでしょう。

しかし、ここ2週間くらいで感じるのは

「金利？ そんなの関係ねえ！ とにかく円は売っときゃいいんだよ！ 売っちゃえ！売っちゃえ！」

みたいなノリです。一言で言えば、日本円はなめられてるって感じでしょうか。
為替介入をすれば一時的には円高方向に振れるんでしょうが、YCC撤廃とマイナス金利解除をしない限りは、この円安傾向は続くことになります。まあ、日銀はそれをやりたくても出来ない状況なんでしょうけど。

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