天国が地獄-トレーディング講座の失敗例

トレーディング講座に参加された方で基本的にはマイナスを出す方はいませんが、どうしても例外的にマイナスを出して資金を失う方が出てきます。今回はそんな失敗例について書いてみたいと思います。

トレーディング講座に参加される方はみな知識ゼロで参加されてきます。事前準備講座でテクニカルやファンダメンタルズも含め、基本的な知識を取り扱っていますが、この段階では知識を得ただけで、全く自分自身のスキルとして落とし込まれていません。そこで事前準備講座後は、肌感を掴んでもらうためにも、まずはポジションを持ってもらっています。この最初のポジション量に関しては、その時々の相場環境によって変わりますが、上がっても下がってもほったらかしでOK、いずれはプラスになるって程度のポジションを持ってもらっています。その上で事前準備講座で得た知識を元に自分自身でポジションを取ってもらっています。この時にご本人にはトータルの最大ポジション量を指定させてもらっています。このトータルの最大ポジション量は考え得る最悪が起こっても、どうとでも対処できるポジション量にしています。最初は利益を出してもらう事よりも、肌感を掴み徐々に自分のスキルとして落とし込んでいくことに専念していますので、この少額でのトレードでの成功や失敗を次の講座の中で、話し合い、徐々に本人のスキルとして落とし込んでいくのが狙いです。

トレーディング講座の失敗例は、全てこの段階で出てきます。原因はただ一つ、こちらから指定しているポジション量を守ってもらえないことです。講座に参加をし始めた方には、このポジション量については、くどいほど繰り返しお話してるつもりですが、それでも、守っていただけない方が出てきます。

例えば、上昇すると考えてポジションをとったとします。自分の思惑通り上昇すれば資金が増えていきます。そして相場はまだまだ上昇しそうに見えます。ここで追加の買いを入れ、指定されていたポジション量を超えます。そこから相場はさらに上昇し、また追加の買いを入れます。資金はどんどん増えていき、そして買えばどこまでも資金が増えていくような錯覚に陥っていきます。これを繰り返すと、だいたいド天井で大きなポジションを持つことになります。この時点で、指定されていたポジション量の10倍から数十倍にポジション量は膨れ上がっています。

そして相場の逆転が起きると、大きなポジションを持っているので、みるみる含み益が減っていきます。ここで決済出来ればいいのですが、また上がるだろうと放置し、気付いたときには資金がスッカラカンというパターンです。
気分的には天国が一瞬で地獄に変わることになります。

もちろん、相場の上昇に合わせて買い足していくことは間違いではありませんし、普通にやることです。しかし、まだチャートもまともに読めず、リスク管理も出来ない状態で、それをやることはとても危険なのです。

ですから、出だしはこちらが指定したポジション量を必ず守って欲しいと思います。まずは利益を出すことより、肌感を作り、知識をスキルに落とし込むことに専念して欲しいと思います。

指定されたポジション量を守るだけですから、何も難しいことはありません。しかし、儲けたいという欲望が強い人にとっては、それがとても難しいのです。博打脳とでも呼べばいいのか、利益が伸び始めると頭は加熱して冷静さを失っていきます。ですから、そういう方は特に自分の性格と真剣に向き合ってもらい、常に自分の癖を意識してもらう必要があります。それは、今後、自分のトレードスタイルを確立する時にも、とても大事になってくることです。失敗する人で多いパターンに自分で作ったルールを守れないというのがあります。これも、元をただせば、儲けたいという欲望が強すぎるところからやって来ていると思います。

トレーディングにおいて自分自身の性格と向き合うことは、とても大切なことです。
是非、真剣に自分自身の性格と向き合ってみて欲しいと思います。

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