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ベネズエラのデノミ | バランスを考える思考の大切さ

Aug 9, 2021 学びの種
ボリバル紙幣

YAHOOニュースに、ベネズエラが通貨ボリバルを100万分の1に切り下げるデノミを10月1日に実施すると発表したという記事が出ていた。

下は2019年4月のIDE-JETROの記事の抜粋だが、大変なことになっていることが分かる。

 

169万パーセントのインフレ、5年連続マイナス経済成長、3年間で総人口の1割(300万人)以上の国民が国を脱出、5日におよぶ全国停電。これらが起きているのは戦下の国ではない、南米ベネズエラだ。さらに今年1月以降は2人の大統領が並び立つという異常な事態にある。

 

ベネズエラのハイパーインフレの直接原因はもちろん、財政赤字の拡大と、それを補うために行われた中央銀行による貨幣の増発にある。しかし、そういう状況に追い込んだのは反米左派政権の経済政策の失敗だろう。ベネズエラ政府はアメリカによる経済制裁や石油価格の下落など外的要因を経済破綻の原因としているようだが、明らかに国家による価格や為替レートの非現実的な固定や、企業や農地の接収と、それに伴う人事によるものだと思われる。

ベネズエラのハイパーインフレの状況をニュースで読むにつけ、思い出されるのがジンバブエのハイパーインフレだ。ジンバブエでも白人農場の接収や価格統制などの経済政策が行われていた。

いずれの国も国家が経済に介入し、とても極端な経済政策をとっている事や、敵対勢力に属していたと考えられる人を徹底して排除し、それにより様々なノウハウが失われ、実体経済が疲弊していく様は、似ているような気がする。

 

バランスを考える思考の大切さ

ベネズエラにしてもジンバブエにしても、その経済政策は、そんな極端なことをやったらダメだろ!と、素人の僕でも思うものだ。でも、それを実際に国家が行っていたわけだ。もちろん、そこには独裁制に至ってしまう過程の問題や、独裁者自身の問題、統治システムの問題など、様々な問題があると思われる。しかし、もっと根底には、何かを否定した時に、徹底してそれを否定するという極端な思考に走りやすいという特性が我々に有ることでないかと思われる。

日本でも、民主党政権時代に無駄を無くすという名目の元、公共投資や公務員の削減方向に動き出し、それは現在にまで引き継がれている。当時、霞が関に勤めている人は何か悪いことでもしているかのような空気まで醸成されていた記憶がある。これにより公務員数は現在、全盛期の半数近くになっているようだ。これは行政サービスの遅滞を引き起こし、さらには行政関係の様々なノウハウが失われてしまう可能性があると思われる。

このような何かを否定した時に、それに付随するあらゆるものを否定して極端な方向に走ってしまう習性は、何も国家に限ったことではなく、日常的にも起こりうる。多くの人は「世の中に絶対的な正しさも、絶対的な間違いもない」ということに同意するだろう。しかし、何かを否定すると、そこに存在していた良いものも否定してしまう傾向が強いのだ。

何かを否定した時に、その否定したものの中にある正しさを考える事は、ある意味めんどくさい。しかし、それを考えバランスを取ることが、最善に近づく一つの道だと僕は思う。身の周りで、何かを否定した時に、そこに極端に思考がはしっていないかを考えてみて欲しい。また、否定したことの中にも、ある程度の正しさがないかを考えてみて欲しい。これが多面的にものを捉え、考える事であり、shin MICで大切にしているクリティカルシンキングにも繋がるものだ。

何かを否定して、その方向に極端にはしってしまうとロクなことが無いのは失敗した国家運営からも感じられることだから、日常的な場面でも何かを否定した時に、極端な否定に思考がはしらないように、ちょっと、踏みとどまって意識してみて欲しい。

もちろん、shin MICの思考と探求では、極端にはしる思考傾向につていもディスカッションを行っていく予定だ。

 

 

 

 

YUICHI KOBAYASHI

YUICHI KOBAYASHI

ちょっとした意識の持ち方で自分の世界は大きく広がります。人生を豊かにする楽しい学びをしていきましょう!!

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