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デジタルユーロ|CBDC(中央銀行デジタル通貨)構想

Mar 20, 2021 学びの種
デジタルユーロ

[フランクフルト 19日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は19日、ECBが発行するデジタル通貨(CBDC)である「デジタルユーロ」について、ECBは構想を先に進めるか年央あたりに決定すると述べた。ただ、正式な発行は約5年後になるとの見通しを示した。

REUTERS
https://jp.reuters.com/article/ecb-euro-digital-idJPKBN2BB1PL

 

上のロイターの記事によると、ECB(欧州中央銀行)が5年後にデジタルユーロの発行を目指しているようだ。実現すれば社会全体に大きな影響を与えるだろう。

このように中央銀行が発行するデジタル通貨をCBDC(中央銀行デジタル通貨)と言う。CBDCはCentral Bank Digital Currencyの略だ。まあ、そのまんまの名前なんだけど。(^^;

実はCBDCは、ECBに限った事ではなく、各国の中央銀行が研究したり、導入を検討したりしている。アメリカや日本はCBDCに対して比較的消極的だが、その準備と研究は行っている。そして積極的な中国は既に発行目前だ。

調べてみるとCBDCの定義はあいまいだが、日銀によるとCBDCとは以下の3つの条件を満たすものということらしい。

(1)デジタル化されていること
(2)円などの法定通貨建てであること
(3)中央銀行の債務として発行されること

技術的にはビットコインの根幹技術であるブロックチェーンを利用するケースが多いと思われるが、ビットコインのように管理者がいないオープンなものではなく、あくまでも中央銀行という管理者がいるブロックチェーンだ。だから、決済がスピーディーになったり、お金の管理が楽になったりといったメリットはあっても、あくまでも現在の法定通貨の電子版ってことだ。

最近のビットコインの爆上げぶりを見ても分かるが、ビットコインのような仮想通貨はボラティリティ(価格変動)が高く、日常の決済に使用しずらく、一般的な通貨として浸透するのは難しいと言われている。

そこで、出てくるのがステーブルコインというもので、米ドルなどの安定した通貨の価格に紐づけされたデジタル通貨だ。代表的なものがFacebookが研究、開発を主導した「Libra(リブラ)」だ。しかし、これも世界の規制当局から警戒されて反発を受け、現在ではFacebookから距離をおいて「Diem(ディエム)」と名称を変更して、発行目前まで漕ぎつけきているようだ。

5年後のデジタルユーロの発行を目指すECBの方針を読むと、明確に書いているわけではないが、ユーロ圏へのデジタル人民元や、ステーブルコインのDiem(旧Libra)の流入と、その影響力の拡大に対抗するために、デジタルユーロの発行を急いでいるように思われる。

暗号通貨

中国の一部ではビットコインのマイニングが禁止されているし、インドでは仮想通貨の取引だけでなく保有も禁止する法案が提出される方向らしいから、各国当局の仮想通貨に対する警戒感と嫌悪感は相当なものがあるだろう。

それにも関わらず、ビットコインは爆上げし続けているし、企業や中央銀行が、その技術を取り入れ、それぞれデジタル通貨発行を考えていることからも、時代の流れが、そちらに傾いていることを感じる。

デジタルユーロ、デジタル人民元、Facebookから始まったDiem、みな発行に対しては、様々な研究、想定を行っている。それでも、こういったものってのは、地震や津波の予測と同じで、想定外のことや想像を遥かに上回る事が起こる類のものだ。

そもそも、現代の我々が当たり前に受け入れている管理通貨制度や中央銀行システムと通貨発行は、調べてみれば、通貨量と借金を延々と増大させていく摩訶不思議なシステムだ。ここでは割愛するけれど、興味のある人は調べてみて欲しい。世界には、現代の通貨発行システムを詐欺だと告発する人がいるくらい、我々は不思議な世界に住んでいるのだ。個人的には、現代の通貨システムが限界に近づいてきているような気がしてならない。

だから、今後、CBDCやステーブルコインが流通し始めた時ってのは、各国の中央銀行からすると想定外の事が起こるような気がしてならない。そして、それは金本位制から管理通貨制度に移行したような、歴史的な大きな出来事に繋がっていくのかもしれないと想像してみたりもする。

とにかく、現代の我々は、ありとあらゆる分野で大きな変化に繋がる種が蒔かれたような世界に住んでいる。特に通貨発行のシステムが変わるようなことがあれば、世界は劇的に変化するだろう。

だから、あっという間に正解が不正解になり常識が非常識になる世界に我々は生きているということをよく自覚して、常に学び続け、変化に対応できる感覚を養っていかなければならない。

僕が勤めた学校のように、何かにつけて「常識的には・・・」「一般的には・・・」を連呼している場合ではないのだ。それを連呼すれば自分の頭で考えずに済むから楽だけど、変化に対応するためには、調べ、考え、学ばなければならないのだ。

YUICHI KOBAYASHI

YUICHI KOBAYASHI

ちょっとした意識の持ち方で自分の世界は大きく広がります。人生を豊かにする楽しい学びをしていきましょう!!

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